松原葉子 Yoko Matsubara, reedorgan


Profile

松原葉子(作曲・リードオルガン)

1973年、富山生まれ。幼少の頃よりピアノを始める。15歳より教会での礼拝奏楽に携わり、教会音楽の学びを志す。フェリス女学院大学音楽学部楽理学科卒業。オルガンを林佑子、宮本とも子、三浦はつみ、作曲を岡島雅興、松本日之春、土田英介、音楽学を寺本まり子、秋岡陽の各氏に師事。2000年「立教学院創立125周年記念教会音楽作曲コンクール」3位入賞。オルガン奏者として、各地での演奏活動(パイプオルガン、リードオルガン)を行う。そのほか、講演会、朗読公演、コンサート等の企画・制作なども手掛けるグレイス・アーツ主宰。日本オルガン研究会、日本リードオルガン協会、日本賛美歌学会会員。日本基督教団富山鹿島町教会員。
CDでは、2010年「In dulci jubilo 甘き喜びのうちに」、2013年「Jesu,meine Freude イエスよ、わが喜び」をWAON RECORDS ワオンレコードよりリリース。いずれもレコード芸術誌準特選盤に選ばれる等、各方面より高い評価を得た。
幼少期より進行性の難病とともに生きてきたが、2017年1月、肺炎から呼吸不全を来して救急搬送される。以後、気管切開・人工呼吸器装着となる。命の危機からの奇跡的な回復を与えられ、今日に至る。現在「富山県リハビリテーション病院・こども支援センター」療養介護棟に入院(入所)中。



CD情報

In dulci jubilo   甘き喜びのうちに
富山鹿島町教会 礼拝奏楽より アドヴェント〜クリスマス
リードオルガン 松原葉子

レコード芸術準特選盤(2011年2月号)
[収録曲]
〈礼拝の開始と御言葉に耳を傾けられるようにとの祈り〉
中世のキャロル:「甘き喜びのうちに」
J.M.バッハ:「甘き喜びのうちに」
J.C.H.リンク:「いとも尊いイエスよ、われらはここにて」
〈待望(I)〉
J.S.バッハ:「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」
コラール:「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(和声:J.S.バッハ)
G.M.トラバーチ:第3旋法による3つの主題によるリチェルカータ
〈預言〉
コラール:「一輪のバラの花が萌え出で(エッサイの根より)」
J.ブラームス:「一輪のバラの花が萌え出で」
〈天使による良い知らせ〉
J.S.バッハ:「高き天よりわれは来たれり」
〈天使、羊飼いの讃美〉
C.ウェスレー:パストラーレ
『讃美歌21』278番 「暗き闇に星光り」
J.S.バッハ:「ほめ讃えられよ、汝イエス・キリストよ」
『讃美歌21』259番「いそぎ来たれ、主にある民(神の御子は今宵しも)」
O.ギボンズ:ヴォランタリー
〈マリアの讃歌、すべてのものらの礼拝と讃美〉
D.ブクステフーデ:「マニフィカト(わが魂は主をあがめ)第9旋法」
『讃美歌21』255番 「生けるものすべて」
J.S.バッハ:「全能なる神に讃美あれ」
E.クレンケル:「いざ歌い、喜べ」
B.カー:シチリアの歌に基づく変奏曲より
O.アーベル:「われは汝の馬槽の前に立ち」
〈待望(II)と成就〉
J.ボワヴァン:第4旋法による容易なプレリュード
松原葉子:「久しく待ちにし」による前奏曲
『讃美歌21』231番 「久しく待ちにし」
〈讃美と安らぎ、平和〉
G.P.チーマ:カンツォーン第4番「安らぎ」
『讃美歌21』264番「きよしこの夜」

 

解説:藤原一弘(音楽学)

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品番    WAON CD-200 
価格 オープンプライス(参考価格2500円)
発売日 2010年11月
録音 2009年9月〜2010年6月
発売元 ワオンレコード
販売 キングインターナショナル

 

Jesu,meine Freude   イエスよ わが喜び

富山鹿島町教会 礼拝奏楽より  受難と復活

リードオルガン 松原葉子

レコード芸術準特選盤(2014年4月号)
[収録曲]
〈罪の悔い改めと赦しへの希求〉
J.パッヘルベル:ああ主よ、哀れな罪びとなる我を
J.S.バッハ:我を憐れみ給え、おお 主なる神よ BWV721
〈闇から光へ、死から生へ〉
S.シャイト:光りにして日なるキリストよ
J.S.バッハ:我らは感謝す、主イエス・キリストよ BWV1096
〈インテルメッツォ I〉
P.ブルーナ:第2旋法のティエント・デ・ファルサス
〈けがれなき小羊の受難〉
J.S.バッハ:おお汚れなき神の小羊 BWV1095
J.S.バッハ:心より愛するイエスよ、あなたはいかなる悪事を BWV1093
〈復活の主〉
D.ブクステフーデ:我らの救い主、イエス・キリストは死に打ち克ち BuxWV198
G.ベーム:キリストは死の縄に縛められ
〈インテルメッツォ II〉
G.フレスコバルディ:聖体奉挙のトッカータ
〈信仰告白〉
J.S.バッハ:我らはみな一なる神を信ず BWV1098
〈受難と復活の主の栄光〉
J.S.バッハ:イエスよ、わが喜び BWV1105
J.S.バッハ:苦しみを受け給うキリストに栄光あれ BWV1097
〈キリストにならいて ――天の御国へ――〉
J.ブラームス:おお、いかに幸いなるかな、汝ら信仰篤き者らよ
J.S.バッハ:キリストは、わがいのち BWV1112
E.P.パーカー(松原葉子 編曲):ナルドの香油

 

解説:藤原一弘(音楽学)

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品番 WAON CD-250
価格 オープンプライス(参考価格2500円)
発売日 2014年3月1日
録音 2012年〜2012年11月
発売元 ワオンレコード
販売 キングインターナショナル

 

 



CD評

In dulci jubilo   甘き喜びのうちに
富山鹿島町教会 礼拝奏楽より アドヴェント〜クリスマス
リードオルガン 松原葉子

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レコード芸術2011年2月号  準特選盤

 

推薦/ 那須田務  

読者の中にも先生が足でペダルをこぎつつ弾くリード・オルガンの伴奏で唱歌などを歌った思い出をお持ちの方がおられることだろう。このディスクを聴くまで、そのリード・オルガンがこのような洗練された音楽表現を可能にする楽器とは知らなかった。とはいえ、ここに収録されているのは「アドヴェント〜クリスマス」という副題を持つように賛美歌を中心としていて、楽器の名人芸や複雑な音楽とは全く関係のない至ってシンプルな音楽である。

富山市の鹿島町教会所蔵のヤマハ・リード・オルガンNo.5は1962年の製造。実際の礼拝に使われていて、選曲にもそれを反映している。アドヴェントやクリスマスのための音楽を集めているが、「礼拝の開始と御言葉に耳を傾けられるようにとの祈り」や「待望」「預言」「天使による良い知らせ」などのセクションに分けて礼拝を彷彿させる。

その上、中世のキャロル、J.M.バッハ、リンク、コラール《一輪のばらの花が萌え出て》及びそのブラームスによる編曲、最後には松原葉子自身による《(久しく待ちにし)による前奏曲》というように、音楽史を縦横に行き来し、各セクションにふさわしい曲を選んでいる。

きっとフイゴの踏み方一つで表現が変わってくるのだろう。その演奏は祈りの精神と音程や解釈や確かな演奏技術に裏打ちされた大変見事なもの。極めて高い芸術性をそなえていて、聴くたびに心の洗われる思いがする。

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準/ 濱田滋郎

足踏みのリード・オルガン、その独特な柔らかさをそなえた音色を懐かしむ人も、もうあまり多くはないのだろうか。私事ながら初めて親しんだ楽器が友人宅から譲り受けた大正時代(?)の足踏みオルガンであった者にとって、それは大切な、胸の奥に住む音いろである。ここで使われている楽器はヤマハ製、ストップ付きの優秀なもので私の使った素朴なそれとは違うが、音の質として変わりなく、しばし感慨に浸りながら聴いた。

弾かれている楽曲は、J.S.バッハおよびその同時代人たちによるバロック期の諸作をはじめ、古典、ロマン派、現代などから広く選ばれた小品25曲、アドヴェント(降臨節)からクリスマスに至るまでの楽曲が順序よく並んでいる。すなわち「礼拝の開始」、「待望1」、「預言」、「天使による良い知らせ」、「天使、羊飼いの賛美」、「マリアの讃歌」、「待望2と成就」、「賛美と安らぎ、平和」と続く区分けのうちに2、3曲から5、6曲が収められてクリスマスの物語をなしているわけである。作曲者の一人に松原洋子の名がある(曲は《<久しく待ちにし>による前奏曲》)が、すなわちこの人がここで愛着と誠意を込めながらリード・オルガンを鳴らすその人である。15歳から教会内での礼拝音楽演奏に関わり、大学でもその方面を専攻、今日まで初心を貫き通してきた人、作曲にも心得があり、この道でも入賞歴を持つ。CD上には珍しい楽器の録音でもあり、大切にしたい。