山内房子 Fusako Yamauchi,soprano
Profile
上野学園大学卒業。声楽を島塚光、高橋康人の各氏に師事。第1回古楽コンクール入賞。第14回チェコ音楽コンクール入賞。1987年から1998年まで国立音楽大学音楽研究所の研究員としてイタリア初期バロック音楽の研鑽を積む。現在は、宗教曲のソリストとして合唱団と共演するほか、17・18世紀を中心に、さまざまな作曲家の声楽作品を取り上げたリサイタルを行っている。2018年5月、初ソロCD「聖アポリナーレ教会のレクツィオ」をコジマ録音ALM RECORDS よりリリース、各方面より高い評価を得た。
CD
赤い蠟燭 ―新美南吉と音楽―
山内房子 ソプラノ 寺嶋陸也 作曲・ピアノ
ALCD-7245/税抜価格¥2,500/
製造・発売元:コジマ録音
2020年2月7日発売(2019年12月20日先行販売)
夭逝の童話作家、新美南吉のユーモラスで澄んだ世界を映す音の紙芝居。
バロックを中心に知られざる古楽に光を当てる山内房子と、多岐に渡る音楽の現場をしなやかに横断する作曲家・ピアニストの寺嶋陸也。昭和初期から読み継がれる新美南吉文学に魅せられた二人が、「ごん狐」や「手袋を買いに」とはまた異なる南吉の詩情を瑞々しく愉快に表現する。ピアノ伴奏によるディンディアのモノディは、南吉の孤独に重ねて。
収録曲
寺嶋陸也 Rikuya Terashima (1964-)
1. 貝殻 [詩:新美南吉]
2. 窓 [詩:新美南吉]
3. 枇杷の花の祭 [詩:新美南吉]
4. 赤い蠟燭 [詩:新美南吉]
5. 雨が… [ピアノ独奏]
6. 風の蝶々 [ピアノ独奏]
7. 小鳥に [詩:新美南吉]
8. アラベスク [ピアノ独奏]
シジズモンド・ディンディア
Sigismondo d’India (c.1582–1629)
寺嶋陸也 編 arr. Rikuya Terashima
9. ぼくは一日中泣き暮らし[詩:フランチェスコ・ペトラルカ]
10. 澄みきった西風が戻ると[詩:不詳]
寺嶋陸也
11. 花 [詩:新美南吉]
total playing time
録音:相模湖交流センター 2019年1月29-31日
ALCD-7245/税抜価格¥2,500/
製造・発売元:コジマ録音
2020年2月7日発売(2019年12月20日先行販売)
2019.12/20 CD「赤い蠟燭」リリース記念 ゲタニバケル - 南吉の童話を歌う - 終了しました。
2019年12月20日(金)19:00 開演
JTアートホール アフィニス
山内房子 歌
野田美香 箏
合田真貴子 十七絃
金子朋沐枝 尺八・鳴り物
Program
神坂真理子(作・編曲)
*こぞうさんのおきょう
*ゲタニバケル(初演)
*冬景色
*砂山(箏、十七弦)
*海に寄せて〜
うみ/浜辺の歌/海
※休憩なし一時間程度のコンサートを予定しています。
全席自由3000円 ペア5000円(終了しました)
ご予約・お問合せ:
オフィスアルシュtel03-3565-6771
https://www.officearches.com/contact/
イープラス
2018年2月24日(土)18:00 開演
JTアートホール アフィニス
山内房子 ソプラノ / 寺嶋陸也 ピアノ
PROGRAM
新美南吉 詩/物語
寺嶋陸也 作曲
貝殻
枇杷の花の祭
春に Ⅰ* 、春に Ⅱ*
お伽噺
窓
アラベスク*
〈お話〉
二つのノクターン*
赤い蠟燭
花
新美南吉(にいみ・なんきち)は「ごんぎつね」や「手袋を買いに」などの児童文学で知られる作家です。愛知県の知多半島の、静かな日常風景の中で語られる小さな幸福や反省や憤りは、わたし自身の幼年期の生活に重なります。
わたしは、南吉と同じ愛知県の、三河湾を挟んだ反対側に位置する渥美半島で生まれました。言語圏が一部重なることもあり、南吉の言葉は素直に身体に入ってきます。
わ たしのぼんやりした記憶にある子ども時代の生活環境には、南吉のお話で語られる世界がまだ残っていました。もちろん、ガスも水道も電気も通っていたけど、 知らない老人たちがよその子どもを呼び止めて思い出話を聞かせる日常があったし、夕方になると辺りはひっそりと闇になった。寒すぎず暑すぎない穏やかな 日々が繰り返され、なにかしら小さな事件が起こったりした。「おじいさんのランプ」も「牛をつないだ椿の木」も、まったく身近で見聞きした話に思えるほど です。
南吉は29年 という短い病身の人生で、自らを奮い立たせて、ものすごいエネルギーで作品を書きました。かわいい童話、せつない物語だけでなく、恋を連想させる詩もあり ますし、驚くほど厳しいお話もある。そんな新美南吉の世界を歌で表現できたらと思い、寺嶋陸也さんに新作を書いていただくことになりました。独特の色合い を持つ方言や澄んだ言葉が盛り込まれた新美南吉のお話が、どのような音楽になるのでしょう。楽しみです。
山内房子(やまうち・ふさこ)